歯肉縁下う蝕をクラウンレングスニングで治療
硬いものを噛んだら「ガキッ」と音がして
そこから歯が痛くてしょうがない、、、という患者さん。
紹介で来院された患者さんです。
歯が割れた可能性があるが、残せる可能性があるならということで来院されました。
一見では分かりづらいですが、CTを撮影すると、、、
歯の根がクサビのように割れて、中の神経が口の中と交通しています。
こうなると神経むき出しで食事をすることになるので
痛くて痛くてたまらないとなるわけです。
この場合「歯肉縁下の歯質欠損」といって、非常に治療がしにくい場所となっています。
そのため、割れた場所を歯肉の上に引き上げる必要があります。
そのままCRなどのプラスチックを詰める先生もいらっしゃいますが
(最近では歯肉の下にも詰められるプラスチックが登場しています)
この場合は欠損部分が大きく、かつ深い場所にあるため、外科処置or矯正による引き上げが必要になります。
まとめると
①神経の処置をおこなう
②歯肉の処置をおこなう
③冠をしっかりかぶせる
この③点がポイントになります。
今回は短期間で治療が終わる+奥歯なので長持ち優先ということで
根管治療+クラウンレングスニング+ゴールドクラウンでの治療となりました。
①
まずは最初に根管治療(神経の治療)をおこないます。
神経を除去して、MTAセメントで充填します。
今回は歯肉縁下に欠損があるため1回法でおこないました。
(1週間まつと、その間に再感染がおこる可能性があるため)
今回は短期間で治療が終わる+奥歯なので長持ち優先ということで
根管治療+クラウンレングスニング+ゴールドクラウンでの治療となりました。
まずは最初に根管治療(神経の治療)をおこないます。
神経を除去して、MTAセメントを充填します。
今回は歯肉縁下に欠損があるため1回法でおこないました。
(1週間まつと、その間に再感染がおこる可能性があるため)
この時点で痛みは取れます(神経が痛かったため)
このまま冠を被せると、再度感染をおこす可能性が高く
もしそうなった場合は抜歯する可能性が高くなります。
そのため歯肉の位置を下げることにより
しっかりとした冠を被せることが可能になります。
②クラウンレングスニング
歯周外科処置を行い、しっかりと歯肉を下げる必要があります。
奥歯の裏側なので見た目はまったく問題ないです。
その部分だけ歯肉を除去しても、すぐに歯肉が戻ってきてしまうので
1週間後の抜糸後、しっかりと歯肉が回復したことを確認したら
③きちんとした補綴物をかぶせる
1度割れていることを考えると
もう一度おなじ部分で割れる可能性が高いですね。
なので被せものはしっかりと
割れたところの下まで被せる必要があります。
当院では、自費治療の場合 それ専用の技工士さんに作製をお願いしています。
経験が豊富で技術力があるため、長持ちする補綴物を入れることができます。(そのため技工料も高めです)
また仮付をおこない、かみ合わせの様子を見て問題がないと確認してから
本付け(合着)を行います。
患者さんは また問題なく噛めることができると喜んでいました。
痛みを取り除くことも大事ですが、それ以上に長持ちする治療を行うことが大事です。
効果
フェルールの獲得
歯髄の可及的炎症除去
副作用
出血、術後の腫れ、疼痛などが
おこることがあります。
※症例の公表について患者さんの同意許可を頂いていおります。
©2020/4/30 Taishi Hirose