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歯周病の患者さんは一生歯周病である??

久々に更新します。

歯周病の管理について。
よく歯周病が治った患者さんから聞かれる質問について、
「先生、歯周病が治ったのだから定期的に通う必要があるのですか?」
という質問です。

これについては「通う必要がある」と説明しています。
なぜでしょうか?

PROCEEDINGS FROM THE 2017 WORLD WORKSHOP ON THE CLASSIFICATION OF PERIODONTAL AND PERI-IMPLANT DISEASES AND CONDITIONS
(数年に一度世界中の歯周病の権威が集まって病気の定義を決める会議)
の2017 WORLD WORKSHOP Periodontal health Niklaus P. Lang P. Mark Bartold
によると動物実験において

「慢性炎症細胞による歯肉組織の浸潤はほんの少数の標本で発生し、ループパターンによるバイオフィルムの増加および歯肉血管網の置換と関連していた。
これは言い換えると、バイオフィルムによって誘発された炎症によって攻撃されると、元々の繊細な血管網が毛細血管のループ構成に置き換えられたことを意味していました1。」

ん~、すごく分かりずらい、、

ものすごく噛み砕いて説明すると
1度歯周病になると(腫れた歯肉になると)歯肉には「特殊な血管のパターン」が現れる。
その後にその炎症を治療によって消すことに成功しても、その「特殊な血管のパターン」は残り続けるよ!
ということです。

この「特殊なパターン」は動物実験によるものなので、そもそも人間はどうなのかという話もあります。

しかしながら、歯周病を治した患者さんが定期的なメンテナンスに来なかったがゆえに逆に歯周病を悪くしてしまった、、なんてことは珍しい話ではありません。

実際に上の「歯周病の患者さんは一生歯周病である」という過激なキャッチフレーズは上のワークショップで発表され、やはり賛否両論のようで、

What is meant by the consensus statement, “a periodontitis patient is a periodontitis patient for life”?

「歯周炎患者は一生の間に歯周炎患者である」というコンセンサスステートメントの意味は何ですか?
「意訳:歯周病患者は一生歯周病であるって根拠はなんでしょうか??(キレ気味)」

という質問がおこなわれています。

これに対しての回答としては、、、

A patient who has periodontitis remains at risk for further periodontal destruction even with treatment.
It is important to define a periodontitis patient as an “at-risk” individual because this patient requires
a more intensive level of maintenance and evaluation than a patient who has not had periodontitis. Thus,
a periodontitis patient who has been treated and is now stable should not return to a level of evaluation
and maintenance identical to a patient who has never had periodontitis (i.e., annual or semi-annual exam/prophylaxis).
歯周炎を患っている患者は、治療を受けてもさらなる歯周破壊の危険性があります。
この患者は、歯周炎を患っていない患者よりもより集中的なレベルの維持および評価を必要とするので、
歯周炎患者を「危険のある」個体として定義することが重要である。
したがって、治療され、そして現在安定している歯周炎患者は、歯周炎を経験したことがない患者と同一の評価および維持のレベル
(すなわち、年間または半年間の検査/予防)に戻るべきではない。

これも、、分かりづらい、、、、
という訳で噛み砕いて説明すると、、、
「歯周病の患者さんは、治療で歯周病の進行が止まっても 常に再発のリスクを抱えている その為健康な人と同じように管理するべきではない」
ということになります。

その為当院では治療が終了した患者さんに対しても、その人のリスクに合わせた期間で定期的な管理を行っています。

よく「3ヶ月に1回」というのは標準的な歯周病だった患者さんの管理に行われますが、状況にあわせて1ヶ月やリスクが高いときには限定的に1週間後にきてもらうこともあります。

逆にそれほど歯周病の状況が悪くないときには1年や半年ごとといったこともあります。

大事なのは患者さんの個別の状態と見極めることであって、漫然と3ヶ月に1度口の中を洗浄するだけでは確実に患者さんは悪くなります。

もし、歯医者さんに定期的に通っているのに歯が悪くなる気がするという方は一度、歯周病専門医にかかってみるのもいいかもしれません。

1Hock J. Gingival vasculature around erupting deciduous teeth of dogs and cats. J Clin Periodontol. 1975;2:44–50.

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