心臓病と歯周炎
心血管疾患は、日本人の死因の一つで、
2016年の心疾患死亡者数は年間19.8万人であり、全 死亡者数の15.1%を占めています。
心臓の血管にアテローム(濡れたかさぶたのようなもの)ができて血管がつまる、
いわいるアテローム性動脈硬化症やASVDなどが主な原因であると考えられています。
実は、歯周病はこの心血管疾患の潜在的なリスクであることがいわれています。
なぜこのようなことがいわれるのでしょうか?
一つは歯周病菌そのものが血管の中に入ること。
もう一つは歯周病が慢性炎症疾患であるということです。
菌血症、つまり口の中の細菌が血管に入って身体を循環することが知られています。
定期的なメンテナンスを行わない場合、歯周病菌は長い間とどまり続けることになり、ずっと血管の中に漂いこれがアテロームの形成を助けるというのです。
理屈の上では正しいのですが、裏打ちする論文はあまり多くないと言われています。
私達は、口の中のお掃除が自分の歯を守るためだけのものと考えがちでまさか全身の健康にも関連しているなんて、と考えるはずです。
ただ注意してほしいのは、歯周治療は、患者が心臓発作や有害な妊娠結果を起こさないことを保証したり、
糖尿病薬やインスリンの使用をしなくても良くなるというわけではありません。
私たちが言えることは、「研究は歯周病と心臓病の関係を示している」ということです。
私たちは、歯周治療後の望ましい結果、病気の解決、または病気や病気の治癒を約束することはできません。
しかしながら、考えるだけなら自由です。
なので少し、口の健康と心臓の関係について考えてみてください。
この先研究が進んで、どの程度のリスクがあるのか判明するかもしれませんが、今から磨いておけば損はありません。
もし、メンテナンスをしていたら、衛生士さんやDrと話してみるのもいいですね。