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妊娠と歯周病の関連

妊娠性歯周炎の歴史と概要

妊娠性歯周炎は歴史的には長年よく知られている疾患です。早いものでは1778年にはその存在が報告されていました。
報告されていたにも関わらず、研究は最近になってはじまり
全身の健康と関係があることがわかったのは最近になってからです。
また低出産体重児(PLBW)との関係が確認されています。
妊娠性歯周炎は一般的に妊婦の30~100%に発生すると言われており
特徴的な症状としては歯肉が赤くなったり、ぶよぶよしたり、出血したりするのが特徴です。

また前歯の歯肉が腫れることについては、
口呼吸(口だけで呼吸すること)によって腫れが増悪することがわかっています。
鼻炎の症状があると、鼻で息ができずに口だけで呼吸するようになるようです。
また腫れるのは歯肉だけでなく、舌や唇 ほっぺたや上顎の裏がはれることもあります。

 

 

出血が増えるのはいつ?

歯磨きをして歯垢を落としても、歯肉から出血することがあります。
これは妊娠後期に起こりやすいといわれており、
歯磨きをしていても磨き残しに関係なく歯肉から出血することがあります。
ほとんどは分娩後に自然に消退する傾向があります。

妊娠中の女性は歯周病にかかりやすい

妊娠中のお母さんの身体の中には赤ちゃんがいますが、
通常 人の体は「異物」を外においだす働きがあります。
お母さんと赤ちゃんは遺伝子的にはかなり近しい存在ではありますが。
やはり微妙に違います。
そのため妊娠中のお母さんの免疫は意図的に抑えられています。
具体的には細胞性免疫の低下、好中球走化性の減少などで。
細菌の攻撃を受けやすくなるということです。

最初の研究では歯周病が
早産(妊娠37週未満)低出生体重児(2500g)の
危険因子であることがいわれていました。
低出生体重児でもリスクの高いものと低いものがあり
歯周病の妊婦さんは低出生体重児でも
リスクの高い状態になるやすいと言われています。

 

 

歯周炎と妊娠リスクへのメカニズム

今では細菌の毒素が妊婦の免疫に働きかけ
分娩に関与している化学物質(PGE2やTNF-α)の量に働きかけて
早産になる可能性がいわれています。
他には細菌そのものが血管から赤ちゃんに届くことで
赤ちゃんに炎症反応がおこることも確認されています。また妊娠中の女性ホルモン料の増加との関係なども研究されています。

子癇前症のリスク
最近の研究では子癇前症のリスクが言われています。
歯肉に炎症が起こることにより、C反応タンパク質のレベルが高くなり
子癇前症になることが言われています。

 

 

予防法

前提として、妊娠中にできる処置は限られています。
安定期が安全と言われていますが、リスクがゼロというわけではありません。
そのため妊娠予定がある女性は、妊娠前に歯周病検査をすることをおすすめしています。
妊娠前に検査、治療をすることで、妊娠中の歯周病リスクを最小限抑えることができます。

歯を磨きましょう
ほとんどの妊娠性歯周炎はき分娩後にちんとしたプラークコントロールができていれば出産後に自然に治ります。
しかしながら、磨かないで放置した場合妊娠中にかかった歯周病が
出産後にそのまま残り続けることが知られています!
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