よくあるご質問
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Q1. 口が臭いと言われます。よい治療法を教えてください。
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口臭は、その原因としていくつかのものが考えられます。
まず口腔内に問題があるもので、その中ではう蝕(虫歯)と歯周病が主な原因です。
その次に内科的な疾患が疑われます。
たとえば胃腸障害や呼吸器系の疾患などです。
ですから、もし口臭を治療するならば、歯科、耳鼻科、呼吸器科および内科的な治療を受診するのが効果的であるといえます。
口臭を疾患の一つであると考えるようになったのはごく最近のことです。口臭の特徴として、みなさんに認識していただきたいことがあります。
それは口臭を持っている当の本人は全く自覚が不可能であるということです。
他人に指摘されて初めて口臭に気づくことが多いのです。
つまり主観的な疾患ではないのです。
口臭を診断するには客観的な診査が不可欠であるといえます。私達は職業柄たくさんの歯周病の患者さんに出会います。
その初診の患者のほとんどの方には口臭があります。
かなり重度の歯周炎で口臭がある方も多いのですが、しかし、当の本人は全く自覚していないこともままあります。う蝕と歯周疾患はどちらも口腔内に存在あるいは感染した細菌によるもので、この様な細菌の中には、その代謝産物として硫化水素などのガスを発生するのです。
これが口腔由来の口臭の原因であるといえます。
歯科からみた場合、口腔衛生の徹底指導と、う蝕の処置および歯周治療を一通り行えば、口腔内に原因があると考えられる口臭の治療は完了します。
口腔衛生の基本は歯科衛生士によるプラーク・コントロールについて正しい指導を受けることからはじめます。患者さんご自身が御自身の口臭を主訴とする場合、かなりの高率で自臭症と呼ばれる精神的な疾患が多いと言われています。
自臭症の患者さんの特徴として、かなり神経質でなにかのきっかけで他人に指摘された一言によって、ご自身の口臭が身の回りの人たちに絶大な迷惑となっていると信じていらっしゃることが多いのです。現在、口臭外来を単科として有している病院もありますが、その4分の3が自臭症の患者であるといいます。
自臭症の患者さんに対して、現在では精神科的なアプローチがとられることが多いようです。
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Q2. 歯石は何故つくのですか?
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歯槽膿漏と呼ばれていたものが今では歯周病と呼ばれるようになり、歯周病の原因は歯垢や歯石であることはマスメディアのおかげで、一般的な知識となってきました。
歯周病の恐ろしいところは、痛みや、目立った外見上の変化がなく、歯茎の奥深くで数年から数十年の間に徐々に進行し、腫れや痛み、歯の動揺などの自覚症状として訴えてきた時点では、すでに歯を支えている骨が、ほとんど浸食されてしまっているという病気なのです。さて、その歯垢ですが、これは一体何でしょうか?
食べかすやゴミではありません。
実は口腔内にたくさん棲息している細菌なのです。
私たちの口腔内はどの様な性状の要素で構成されているでしょうか? 一つは頬粘膜や舌などの柔らかい組織、それと歯牙という硬い組織の二つのものによって構成されています。口の中の大多数の細菌が歯という硬い組織に集まりくっついてくることが知られています。これは乳歯が生え始めた瞬間から全ての歯を失うまでずっと起こり続けているのです。このようにして発生した歯垢はていねいに歯ブラシで清掃しないと除去されません。歯垢は歯科医師あるいは歯科衛生士に除去してもらえば完全に取り去ることができますが、24時間もすればまた、もとと同じ状態に歯垢が付着しています。
鏡で一度ゆっくりとご自分の口の中を観察されることを勧めますが、口腔内で歯牙をとりまく環境は、実に細かく入り組んだ構造をしているのがわかると思います。ですから、普通の人がなんとなく普通に歯を磨けば必ず磨き残しが生じます。磨き残す場所というのは決まって同じ場所ですから、取り残された歯垢は時間とともに唾液中のカルシウムなどの無機塩類が沈着して石のように硬くなって歯石となります。そしてこの歯石は、珊瑚礁のようにたくさんの空胞や凹凸が無数にあり、微生物たちの格好の棲息環境を提供してくれます。
このようにしてできた歯石は、口を大きく開いて目に見える場所だけではなく、歯周ポケットの中の目に見えない深い部分の歯根の表面にまでビッシリと付着して、あなたの歯周病を静かに、より悪い状態へと導いていきます。
いったん付着した歯石は専門家によるスケーリング・ルートプレーニングという処置をうけない限り完全に取り除くことは不可能です。歯石の沈着を予防するには歯科を受診して磨き残すことのないブラッシングのテクニックを修得することがとても大切です。そして、定期的に口腔衛生のチェックを受けることにより、歯石のない良好な状況を維持することが可能となります。
もし、歯周病によって歯を失いたくないならば(当然の願いではないでしょうか?)、歯垢と歯石の付着状況と歯周組織の状態の診査をしてもらい、必要があれば治療を受けて定期的に口腔内の管理を継続することが非常に重要であるといえます。
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Q3. 合わない入れ歯はどうしたらよいか?
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作ってもらった当初は、ぴったりと合っていた義歯(入れ歯)も年月を経るごとに適合が悪くなり、あたって痛い箇所ができたり、食物が挟まって不自由な装用感になってくることが多いようです。
また、調製してもらった当初よりよく合わない入れ歯もあるようです。このような現象が何故起こるのでしょうか?
義歯というのは堅く変形することのないものです。
しかし、義歯の入っている口腔内というのは柔らかく変形しやすい軟組織であり、そこに金属や樹脂でできた義歯が入るのですから、もし、局所的に強く当たる場所などがあると痛いのは当たり前です。もしあなたの義歯の不具合がほんの少しならばその義歯を歯科医師に修正してもらえば、もとのような快適な装用感に回復するはずです。
しかし、著しく合わない義歯であるのならばそれは歯科を受診して新しく義歯を調製してもらう必要があります。
その際には、長年不適合な義歯によって痛めつけられた口腔内の粘膜のコンディションの回復、および、大切なあなたの残った歯をきちんと治してから新義歯をつくってもらうべきです。
そうでないと、せっかくの新義歯もすぐに合わなくなってしまい、残っている歯までダメになってしまいます。合わない義歯を長期にわたって装用すると、義歯を乗せるために大切な歯茎の高まりが失われてしまい、新たに義歯を調製しようと思っても、しっかりと支えるところがなくなってしまいます。
また、ご自分で扱える義歯のクッションも市販されていますが、あまりお勧めできません。
しかし、快適で機能的な義歯をつくるというのは想像以上に技術と知識と手間暇を要します。
数回通院して簡単にできるというものではないのです。もし本当に快適な義歯が必要な方は義歯に詳しい専門医に診断してもらうことをおすすめします。現在では義歯で困ってらっしゃる方にとってインプラントという技術がかなり安定して処方することが可能になってきました。
インプラントとは人工歯根のことで義歯では味わうことのできない歯ごたえを回復してくれます。
関心のある方はインプラントに詳しい歯科医師におたずねになることを薦めます。
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Q4. 歯がしみて困ります。虫歯には見えませんが・・・
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う蝕(虫歯)の一つの症状として歯がしみるということがあります。
これとは別に、虫歯でもないのに歯がしみるという症状を象牙質知覚過敏症と呼びます。
どんなときに起こる症状か説明してみましょう。・う蝕の治療をした後に金属製の修復物を装着した
・歯周病の治療で歯石の除去や手術をうけた時
・なにかの原因で急に歯茎の位置が下がってしまい歯の根本が突然大きく露出した場合いずれの場合にも共通しているのは急に象牙質が外界の刺激を直接うけるようになった場合に起こります。
歯牙は、本来、健康な状態では象牙質という部分は露出していることはないのです。
歯茎より露出した部分は通常エナメル質と呼ばれる人の体の中でもっとも硬い組織でおおわれていますし、歯根は歯茎の歯肉の下にあります。このような象牙質が、う蝕や歯周病、あるいは外傷によって急激に外部に露出して、種々の環境にさらされるようになるのがこの象牙質知覚過敏症の根本的な原因です。
その治療として、患者さんにお願いしたいのですが、しみる部分はとくによくブラッシングしてください。
しみる部分がいつも歯垢で汚れているようなら、なかなか治癒しませんし、そこから、う蝕や歯周病になってしまいます。
さらに時間が経過すると歯垢は歯石になってしまい象牙質の表面を覆ってしまって、しみなくなるかもしれません。
でも、これでは困ります。
治療としては、徹底的にしみる部分を清掃した後、知覚過敏治療薬を適用するというどちらかといえば消極的な治療法が主流です。
しかし、ヒトの生体の適応力によって数週間から長くとも半年でほとんどの症例では知覚過敏は消退します。
患者さんによっては神経(歯髄)をとってくれ(抜髄)という方もいらっしゃいますが、これはおすすめできません。
なぜなら神経を除去した歯は、予後も含めて、機能的にも本来の半分以下の価値となってしまいます。
本来、知覚過敏症は間欠的なもので日常生活に支障をきたすようなものではありません。
しかし、そうではない激痛を伴う場合は残念ながら抜髄も考慮しなければなりません。
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Q5. 歯軋りをすると言われます。治療法を教えて下さい。
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歯軋りはブラキシズムと呼ばれる立派な病気です。
この病気は噛み合わせの異常によって起こります。
健康な人の上下の歯牙が接触する時間は一日24時間のうちでほんの僅かであるといわれています。
何らかの原因でこの噛み合わせのバランスが狂ったときに歯軋り(ブラキシズム)は起こります。
これには大きく分けて3種類の症状があります。・クレンチング;噛みしめ、食いしばり
・グラインディング;歯軋り(ギリギリと音がする)
・タッピング;カチカチと噛む(これも大きな音がする)いずれにしても、歯軋りは睡眠時間中など患者さん自身の意志ではコントロール不可能なときに発現するものですから、予防は不可能です。
治療方法は、噛み合わせの調整が中心で、修復物や、補綴物(金属冠や義歯)などの再製作を行場合もあります。
治療中は、スプリントと呼ばれるマウスピースのようなものを口腔に装着するように指導されるかもしれません。
そのようにして時間をかけて咬合(噛み合わせ)を調整していきます。噛み合わせの異常は、顎の関節に影響を及ぼします。
そして顎の関節に関連する何十という筋肉に対してもその影響を与えています。
もし、ひどい肩こりなどがあるのなら十分関係している可能性があります。
歯軋りは歯と歯茎に対して壊滅的な力を発揮するといわれています。
放置すれば歯が異常にすり減り、ケースによっては顎関節症と呼ばれる重篤な疾患になってしまう場合があります。
さらに歯周病の患者さんにとっては一度にたくさんの歯を支える骨を失うきっかけとなる可能性があります。
まずは、噛み合わせに詳しい歯科を受診して診査を受けることを薦めます。
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Q6. 血圧降下剤を常用しています。歯茎の腫れと関係ありますか?
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内科に通って高血圧の治療を続けていらっしゃる患者さんも決して少なくないと思います。
そのような場合、常時内服する薬剤としてヒダントゥィン系の血圧降下剤(カルシウム拮抗薬という種類の薬剤です)を処方されることが多いようです(薬剤についての具体的な説明は、かかりつけの内科医にご相談ください)。これらの薬剤は、その因果関係については未だ不明な点が多いのですが、かなりの頻度で、歯肉の腫脹と増殖をもたらすことが報告され、事実その様な患者さんが来院されることは珍しいことではありません。
その特徴的な症状として、歯茎が腫れ上がり歯冠の大部分を覆ってしまうほどになることがあります。
そして容易に出血して患者さんは歯茎の異常に気づくことが多いようです。治療方法としては、歯周病に詳しい歯科を受診して適切な治療を受けることです。
とくに元来歯周病に罹患した患者さんはそのまま重篤なケースになることも往々にしてあります。歯周病の専門医ならば適切な治療を処方してくれるはずです。
その治療は徹底した口腔内の衛生状況を確立することがキーポイントといえます。
つまり正しいブラッシング方法の指導を受けて、いつも歯垢のない清潔な口腔内の状態を維持することです。普通の歯周病と同じく血圧降下剤による歯茎の腫れも最大の原因は歯垢と歯石にあるというわけです。
このような患者さんは薬がなければ困るわけですから、生活習慣をよく見直して健康で快適な毎日を送っていただきたいものです。
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Q7. 歯周病はどんな症状に注意すれば良いでしょうか?
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歯周病の一般的な症状は歯から血や膿み(黄色い汁のようなもの)が出る。
歯がぐらぐらする。などが言われていると思います。
また一般的に歯周病は痛みが出ない病気と言われていますが、痛みが出ることもあります。虫歯の痛みは進行すると常に痛かったり、冷たい水や温かい水に反応して痛みが出たりする傾向が強いと言われていますが、歯周病は体が疲れてくると痛みが出る傾向があります。
これは、歯周病が体の免疫に関係のある病気であることが関係しています。しかしながら上に書いた症状はあくまで一般的なものであり症状がなくとも歯周病が進行しているケースや常に痛みの出るものも多く見られます。
このようなことを書くと「なんでもありじゃん」と思われるかもしれませんが、そうなのです。
非常に多種多様な症状があり一概にこの症状ならば歯周病!!とは言えないのがこの病気のやっかいなところです。
そのため歯周病に専門知識がある歯科医師の診断が必要であると言えます。また、来院される患者さんが多く訴える症状には「歯磨きをするとそこだけ出血する」「そこだけ疲れると腫れる」等があります。
検査をしてみると歯周病には問題が無く、親知らずの問題であったり、実は歯ブラシで強く磨きすぎていただけだったり等も珍しくありません。
もし、自分が「歯周病かも、、」と思ったら、一度歯医者さんに行って検査してみることをおすすめします。また余談ではありますが、一番重要なことは「症状が出る前に検査をする」ことでもあります。
痛くもないのに歯医者さんに行くなんて、、と思うかもしれません。
しかし、一般的に症状が強い歯周病は病気の進行がかなり進んでいる傾向が強いです。あまりにも進みすぎた病気は治すことができません、医療は人の作りあげた技術であり当然そこには限界が存在します。
また、治せる場合でも症状が進めばそれだけ治療期間や費用も長く、大きくなります。
そのようなことになる前に正しいブラッシング法を学びきちんと管理することで健康なお口を保つことができます。
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Q8. タバコはなぜ歯周病に悪いのでしょうか?
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タバコは歯周病に対してかなりの悪影響があることが分かっています。
タバコは多くの化学物質を含むため複雑に人間の免疫や組織に作用して、体の通常の活動をさまたげることが分かっており、統計によればタバコをすう人は吸わない人の三倍歯周病にかかりやすいといったデータもあります。
また、たまにいらっしゃるのですがタバコを吸うと歯肉からの出血が止まるため、たまに歯周病が治ったと思われる方がいらっしゃいます。
しかしながら見えない所で歯周組織の破壊は進行しており、一説には非喫煙者の2倍近いスピードで歯を支える骨がなくなるといったような説もあります。
また過去にタバコを吸っていた人もまったくの非喫煙者と比べると多少リスクが高いことも知られており、お口の中にできる癌のリスク上昇等は最近ではメディアの放送等でよく知られていることだと思われます。
そして、歯周病の治療をおこなってもタバコを吸ったままだと治療の効果がでにくいことも分かっているのです。
またタバコを吸う人は吸わない人に比べて歯周病にかかる可能性が高く、また病状も深刻である場合が多いと言われています。
このように歯周病にとってタバコはかなりのリスクファクター(危険因子)であることが分かると思います。
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Q9. どんな検査をするのでしょうか?
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歯周病の状態を知るのに一番オーソドックスな方法にプローブによる歯周ポケットの検査やレントゲン撮影があります。
プローブという細いメジャーのようなものを使って歯肉と歯の間の溝の深さを調べます。また、歯が植わっている骨の状態を調べる為にレントゲンを撮影します。
しかしながらこれらの検査はどれか一つをやれば完全に病気のことが分かるというわけではありません。
たとえばレントゲンは骨のだいたいの状況を調べることができますが、歯周ポケットの状態を知ることはできません。
歯周ポケットの検査は歯周ポケットのおおまかな状態を知ることができますが、骨の全体状態についてはかなり限定的にしか分かりません。
検査にはそれぞれ調べられる項目と調べられない項目があるのです。
そのため、病気の状態に応じて様々な検査を行い、それらを補足的に組み合わせて使うことで確度の高い診断が可能になります。
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Q10. 妊娠中の歯周病対策は?
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妊娠中の女性はホルモンバランスや体の状態が通常の状態と異なります。
歯周病に関してもホルモンバランスの変化により、より歯肉に炎症が起こり易い状態であるといえます。また、妊娠中の女性はお口の中が乾き易い口腔乾燥症になりやすく、つわりなどによる胃液の酸で歯が解ける酸蝕症や逆流性食道炎などが起こり易くなります。
(妊娠初期と妊娠第一期の終わりには逆にお口の中が湿り易いとも言われています)アメリカ等では歯医者さんに定期的に通うのは一般的ですが、この時期は特に注意して見る必要があるため、あまり歯周病のリスクの無い方でも3~4ヶ月ごとの定期検診を勧められる場合も多いようです。
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Q11. 歯磨きだけで治すことはできないのでしょうか?
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歯磨きが歯周ポケットの中にどれくらい届くのかという実験があります。
大体平均すれば2~3mm程と言われています。歯周病の進行した患者さんの場合、歯周ポケットの深さは4mmや5mmといった非常に深いポケットが存在することになります。
このような深いポケットの中を歯ブラシで掃除しきることは実質不可能に近く、歯科医師による歯周病治療が必要になってくるのです。
しかしながら、歯周病の治療をするのには歯磨きは必要不可欠です。
いくら歯医者さんで歯周病の治療をしても、家に帰って患者さんが歯磨きをしなければ良好な治療結果は望めません。歯周病治療と歯磨きは車の両輪であり、治療をするのであればどちらもかかせないものです。
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Q12. 歯石を取ったら歯がしみます。どうすれば良いでしょうか?
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歯がしみる原因は実に様々であり、まずは本当に歯石を取ったから歯がしみているのかどうかを知る必要があるのですが、ここでは他に何も問題が無く歯石を取ったら歯がしみた場合を考えてみましょう。
歯石を取ると今までは歯石に覆われていた象牙質と呼ばれる歯の根っこの表面が口の中に露出をします。
象牙質には象牙細管と呼ばれる細い管が沢山存在しておりその管に液体が触れると歯がしみることがあります。実は、歯がしみる本当のメカニズムは諸説あり完全に分かってはいないのですが歯をしみなくする方法は分かっています。
それはしみている部分を良く磨くことです。通常、人はしみる場所を怖がって磨こうとはしません。
これは、人間であれば当然の心理ではあります。
しかしながら、磨かなければその場所はずっとしみづつけるのです。様々な研究で歯石を取った後の歯のしみはきちんとブラッシングをするとかなりの確率でおさまってくることが分かっています。
しかしながら、何事にも例外があるように極まれに治まらない方もいらっしゃいます。
もし日常生活に支障をきたすほどであれば歯の神経を取る等の処置を行うこともあります。
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Q13. 歯垢と歯石の違いは?
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歯石はプラーク(歯垢)が石灰化したものです。
一般的に歯肉の上側につく縁上歯石に関しては、唾液の分泌と関与していることが分かっています。そのため唾液腺の開口部、上あごの奥歯の頬側、下あごの前歯の裏側につき易いことが分かっています。
実は現在において歯石が歯周病の原因になつという考えは一般的ではありません。歯石の前の段階、歯垢(プラーク)が歯周病や虫歯の原因になっています。
歯石の表面は丁度軽石のように凸凹になっていて、歯垢がつくことで病原性、その表面の歯垢が病気の原因になると言われています。
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Q14. 歯のグラグラは治りますか?
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一般的に、歯がぐらぐらすると歯周病は重症と言われていますが歯に入歯の金具がかかっていたり、矯正をして歯を動かしている時の歯はかなりグラグラしています。
このように歯には一定の方向に力が加わることで骨(歯槽骨)と歯の間の靭帯がのびて、歯がぐらぐらすることがあります。当然、歯周病によっても歯の回りの組織が重度に破壊され、歯がグラグラすることもあります。
その意味でまずこのグラグラは何が原因でグラグラしているのかを知ることが重要になります。仮に前述の矯正や入歯が原因でグラグラしているのであれば、その力を取り除いてあげればグラグラするのは治まります。
後者であれば病状を診断して適切な治療を施せば治すことも可能です。
また、そのどちらも原因であることがあります。その場合歯周病の歯に強い力が加わることになりますので、歯周病の進行が早まる可能性があります。
つまり、歯周病で歯を失い入歯を装着している人は歯垢や歯石を残したままの口で入歯を装着していた場合、入歯の金具が残っている歯を揺さぶって歯周病を悪化させることになります。そうしてさらに歯周病で歯を失い、、、最終的には総入歯になるといった悪循環に陥ることになります。
そうなる前に歯周病の治療を行い、お口を清潔に保つことでこの悪循環を断ち切る必要があるのです。
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Q15. ストレスで歯周病は悪化しますか?
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関係はあるのではという話はあるようです。
例えば壊死性潰瘍性歯肉炎は感情や身体的なストレスがある時期に起こり易くストレスが免疫の正常な活動を妨げ、ホルモンの血中量が増えることにより発生するのでは?と考えられています。
またストレスフルなライフイベントいわゆる離婚、近親者との死別などを経験した人には歯周病の患者が多いのでは?と言われています。
また金銭的な負担や疲労、うつ病がある人は深刻な歯周組織の破壊があるのでは?といったデータもありますが、あくまで疫学をもとにした研究であり歯周病との本当の因果関係は不明、推定の域を出ないようです。
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Q16. 通院期間や頻度はどのぐらいでしょうか?
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病気の状態、症状により通院期間や頻度はかわってきますが、参考までに
基本的な歯周病の処置を行う場合
初診:レントゲン撮影と歯周組織検査および治療計画の立案と口腔衛生指導
視診により見える範囲の歯石の除去(1~2回)
再検査の後、歯周ポケット内部の不可視部位の歯石の除去(4~6回)
再検査の後、必要性が認められれば1/6顎単位の歯周外科処置(4~6回、歯肉剥離掻術あるいは歯肉切除)
その後、数ヶ月単位の再検査が必要となります。
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Q17. 歯を抜いた後はどう治療するのでしょうか?
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歯を抜いた後の選択肢は一般的には3つの選択肢があります。
一つは抜いた歯の隣同士の歯をつなげてブリッジ(橋)にすることでその歯を補う方法。
もう一つは取り外し式の入歯を入れる方法。
もう一つは人工歯根を入れる方法です。
http://y-dental.com/implant/implant02/
に治療法の比較について紹介しております。
ご参考ください。
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Q18. 治療後に再発する可能性はありますか?
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歯周病は歯垢が原因で起こる病気です。
歯垢とは食べ物のカスをもとに細菌が繁殖した塊のことをいいます。その為きちんと歯垢をコントロールすることが重要になります。
もし治療を行い歯周組織の状態が改善したとしても正しいブラッシングをしなければ、お口の中の食べ物を糧に細菌が口の中で増殖し、歯周病が再発することになります。
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有楽歯科
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